So-net無料ブログ作成
土曜日の長いお話 ブログトップ
前の10件 | -

彼女達の恋愛事情(100) [土曜日の長いお話]

数年後

「いらしゃ~い!!」

双葉と桧垣のカフェは、大賑わい。
店の中は、焼きたてのパンの香りとコーヒーの香り、そして・・・たくさんの子どもの声が広がっていた。
今日は、通常営業をお休みして、貸切。
なぜなら、今日は特別なパーティーの日だからです。

「双葉~久しぶり!」
「優奈!加賀美さんも!」
「久しぶりです!」
「かわいい~!!」
「ばふっ!」

優奈と加賀美の間には、つい先日、男の子が誕生。
名前は“奏(そう)”
加賀美の“漢字一文字の名前にしたい”という意見と、優奈の“音に関する漢字を使った名前にしたい”という意見から考え出された名前なんだとか。

「大きくなったね(笑)」
「も~すっごい泣くし、笑うし、よく食べる。元気で元気で(笑)」

そうはなしながら、カフェの中に入る双葉と優奈ファミリー。
店の奥には、全員がそろっていた。

「久しぶり!!奏ちゃん初参加!!」

そういって出迎えた実理と風馬、そして子どもの柚子ちゃん(3歳)
結婚式と同時に妊娠(=柚子ちゃん発見)がわかり、いろいろ大変だったこの夫婦。しかし、たくさんの幸せに包まれながら柚子ちゃんはすくすくと成長して・・・

「わ~!!赤ちゃんかわいい!!だっこしていい?」

立派なお姉ちゃんになってます。

一方、葵と小暮の年の差夫婦。彼らにも子どもが生まれている。
名前は悠斗(ゆうと)年は、2歳。やっと言葉を話し始めたかなぐらいで、小さなお口からこぼれるかわいい言葉がかわいい。そして、男の子にしてはおとなしく、いつも小暮や葵の足元にくっついている。

「ゆう~ちゃん。」

柚子ちゃんが悠斗君の顔をのぞきこんで呼ぶのだが・・・

「・・・にゅ~・・・。」

人見知りが激しい。
そこが、葵と小暮の悩みでもある。

そんな彼女達を迎えた双葉。
実は・・・

「どう、調子は?」

優奈のその言葉に双葉はニコニコしながら「順調(笑)」と答える。
おなかをさすりながら。

現在妊娠5ヶ月
夫である桧垣に支えられながら、のんびり妊婦さん生活中である。

「は~い、お待たせ!!」

キッチンから焼きたてのパンを持って登場した桧垣。
焼きたての香りが部屋の中を包み込んでいく。

「ハーイ、お待たせ(笑)」

桧垣はハニカミながら、柚子ちゃんと悠斗君に小さめに焼いた米粉パンを渡す。すぐにぱっと取った柚子ちゃんに対して、もじもじしてなかなか受け取らない悠斗君・・・。そんな彼に、桧垣はこう話す。
「パン君、悠斗君のこと待ってるよ~おいしいよ~あったかいよ~!!」

ちょっちょっと小さな口にパンを当ててそう話す桧垣。すると、悠斗君は、ぱくっとパンをかじったのである。

「どう?」
「・・・おいひ~(笑)」

にこっと笑う悠斗の姿に葵も小暮もびっくり!

「葵!カメラ!はやくはやく!」

この瞬間をのがさまいと慌てる親をよそに、悠斗君は小さな手でパンを持ってむしゃむしゃ。そんな彼に「おいしい?」と柚子ちゃんが質問。その空間だけ一瞬ほのぼのとしたのは言うまでもなかった・・・。

数時間後

「じゃ、久しぶりにはじめましょうか!」

丸い木のテーブルを囲む優奈、実理、双葉、葵
数年前と同じ光景がそこにあった。しかしその時と違うのは、あのときの約束どおり、みんな大事な旦那様がいて、かわいい子供もいて、幸せな家庭を築いているということ。

時間が流れようと、離れ離れになろうと、ずっとこの関係は続く。コーヒーとお菓子、それぞれの話を片手にこの会議は続いていくのである。

ずっと・・・

fin

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(99) [土曜日の長いお話]


「ということで、今に至っています(笑)」
「ひゅ~!!」
「恋愛って本当わからないよね(笑)」


笑いながら、コーヒー片手に話す彼女達。

1年前と唯一違うのは、全員に彼氏がいて、その恋愛が幸せなものに変わっているということ。そんな彼女達は、この報告会の最後、こう誓いを立てた。


“次に全員がそろう頃は、幸せな家庭を気づくこと。”


と・・・




nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(98) [土曜日の長いお話]


桧垣が移住して数ヵ月後の夜

双葉と桧垣は、夕方に店を閉め片付けと掃除に追われていた。
部屋の中にまだ残っているコーヒーのほろ苦い香り。その香りに包まれながら双葉の気持ちは徐々にオーナーから名倉双葉へと戻っていく。それは桧垣も一緒だった。そして、モップで床を拭きながら、桧垣は双葉に声をかけた。

「・・・名倉・・・」
「何ですか?」

「・・・ちょっと待っててもらえますか?」

いきなり、改まったような敬語で双葉に声をかける桧垣。双葉は、そんな桧垣の言葉に疑問を感じながらもカウンターに座り、静かに桧垣を待った・・・。

「お待たせしました(笑)」

キッチンから出てきた桧垣。その手には、ココットを逆さにして隠された何かがプレートの上に乗っていた・・・
そして、そのプレートが静かに双葉の前に置かれる。

「開けて・・・もらえますか?」

桧垣のその言葉に、双葉は静かに上に乗ったココットを手に取った。


「・・・えっ・・・」


茶色のココアパウダーで包まれた表面。そのティラミスの真ん中にダイアの指輪がきらきらと輝いていた。


「もう一度告白させてください。」


真剣な表情で桧垣は双葉を見つめならそう話す。

そして・・・


「俺の一生をあなたに捧げます・・・ずっと好きでした、結婚を前提に付き合ってください!」

「はい。よろしくお願いします。」


長い長い葛藤は、桧垣と一緒にここに居るうちに自然と終焉を迎えていた。双葉の気持ちはおのずと決まっていたのである・・・。



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(97) [土曜日の長いお話]


カランカラン・・・

「いらしゃいませ。」

双葉の視線の先には桧垣。
これがいつもの光景になっていた。


ある日のこと

扉を開けた桧垣は、双葉の目に映っていた“いつもの桧垣”と違っていた。スーツ姿の桧垣。卒業式以来この姿の桧垣を見ていなかった双葉。そして、ドアを閉めていつもの様にカウンターに座るとかばんから何かを取り出す・・・


「こ、ここで働かせてください!」


そういいながら、写真つきの履歴書を双葉に差し出した。びっくりしながらもその履歴書を見ると、その希望欄に・・・


“名倉双葉様に、私の人生のすべてを差し上げます。”


この一文が書かれていた。

動揺する双葉に桧垣は「本気・・・ですから・・・。」と恥ずかしそうに話す。双葉は静かに気持ちを抑えると「では、アルバイトとして来週からお願いします。」と店長としての顔でそう返答した。


それから、桧垣は双葉の町に移住。
朝早くから出勤し店の掃除をはじめ、たまに来る客の接客や皿洗いをする。そして休みの日は、調理の勉強を独学で学ぶ。そんな日をすごしていく。その姿を双葉は目の当たりにし、少しずつ気持ちが変化していくのを実感していた。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(96) [土曜日の長いお話]


あの事件から数ヵ月後

「本当に大丈夫なの?」
「大丈夫!こう見えても向こうではカフェでバイトしてたんだから!」

母の心配をよそに双葉はこの店をオープンさせた。
のどかな田舎町の、のどかな風景が広がる空間にぽつんとできた小さなカフェ。その不思議な光景に町中の住民が不思議そうに店を眺めるのだが・・・

「誰も来てくれない・・・(泣)」

そう思いながら、双葉はカウンターでコーヒー豆をミルへと移していた。

カランカラン・・・

「いらっしゃい・・・ませ・・・」

そこにいたのは、桧垣だった。
少し、おどおどしながら「ひ、ひさしぶり。」とぎこちなく笑顔を見せる桧垣に「お、おひさし振りです。」とぎこちなく返す双葉。桧垣はカウンターに座ると「ホットコーヒー・・・1つ。」と注文する。双葉はぎこちないそぶりで沸かしていたお湯をカップに注ぐと、ミルで砕かれたコーヒー豆をサイフォンにセットして湯を注いでいく・・・

「ど・・・どうぞ。」

白いカップにそそられたこの店最初のコーヒー。桧垣はそれを受け取るとカップを口に運んだ。そして、にこっと笑うと「おいしい。」といって追加注文。双葉は、桧垣のそのカップに再びコーヒーを注いだ。

数分後

「ありがとう、ご馳走様。」

桧垣は、カウンターにお金を置くとそのまま店を後にする。
そんな日が2ヶ月も続いた。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(95) [土曜日の長いお話]


「・・・という感じです(照)」

話し終えた優奈は、例のラテアートを消すかのように飲み始める。

「とうとう・・・この日が来たか・・・。」
「優奈が“結婚”って言葉を口にする日が。」
「一生無いと思ってた。」

3人からの言葉に「何よそれ!」と反論する優奈。そして「では、本日“最大の”議題です。双葉。」と双葉に降った。

「は~い。私と桧垣先輩の成り行き話します!」

そういうと、少し気持ちを落ち着けて、事の成り行きを話し始めた・・・

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(94) [土曜日の長いお話]


「「おっ、待たせしました!」」

双子の水木兄弟が大きな台車を押しながら登場。優奈を席に座らせると・・・

「水木運送の出発だ!!」
「どけどけっ!」

台車に“椅子ごと”優奈を乗せるとそのままリングに猛スピードで直行。リング下の記者やリング付近の客たちを蹴散らし始める。そして・・・

「加賀美さん、ご注文の“奥様”お届けにあがりました!」
「サインお願いします!」

リングに椅子ごと納品された優奈。加賀美はリングの上にいる優奈にどきどきしつつ、水木兄弟にサイン代わりの平手打ち。

「ありがとうございやした!」
「またのご利用お待ちしておりま~す!」

といって降りていった。

「ご、ごめん・・・びっくりした?」
「は、はい・・・(泣)」

加賀美は、泣いている優奈の涙をふき取ると静かにキスをする。そして、その光景を記者達は写真に収め始めた。その中には・・・

「ちょ~かっこいじゃん!」

もちろん、桜奈の姿も。
彼女はリングのすぐ下で“カメラマン”と“身内”二つの気持ちを抱えながらシャッターをきっていた・・・

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(93) [土曜日の長いお話]

そして、試合当日。

優奈は、チケットに書かれた席について試合を観戦。加賀美の試合以外にも東堂達“同じ釜の飯”仲間が試合を繰り広げていた。そして、メインイベントへと移った。大柄でレジェンドの風格を漂わせる対戦相手に怯むことなく戦い続ける加賀美の姿がそこにあった。相手の攻撃で傷を負い、傷口から血を流してでも立ち向かう加賀美の姿に、優奈は直視できないでいる。

「俺は・・・負けらんねぇんだよ!」

そう、加賀美が口にした数秒後の事だった。

カンカンカンカンっ!!
カンカンカンカンっ!!

その音に、優奈はそむけていた顔を再びリングへと向ける。

そこに立っていたのは・・・傷だらけの加賀美だった。

彼の入場曲が会場に流れ、意識を取り戻した対戦相手と握手を交わす。そして、マイクを握ると・・・

「・・・俺は、この試合に人生を賭けてました。今日勝てて嬉しいです。それと・・・会場の皆さん!今から俺が言うこと、することの証人になってください!」

ざわつき始める会場。
加賀美は、試合後で揚がっている息を整えると再びマイクを握りなおし、優奈のいる場所を見つめると・・・

「南沢優奈さん・・・俺と結婚してください!!」

そう言って頭を下げると、マイクを持った右手を優奈の席の方角に向けた。
あまりのことでびっくりしてしまった優奈は、気が動転してしまう。そして、さらに追い討ちをかけるかのように、優奈にピンスポットが当てられたのである。優奈の姿をはっきり確認した観客はさらにどよめき始める。
そこに・・・

「優奈姉さ~ん(笑)」

二紀島がマイクを持って参上。ニコニコしながら優奈にマイクを渡す。

「・・・お、こ・・・こんな私ですが、よろしくお願いします!」

試合以上にボルテージが揚がり始める会場。
リングの上でガッツポーズを取って、全身で喜びを表現し始める加賀美と、席で自然と涙を流す優奈。
そこに・・・

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(92) [土曜日の長いお話]

「加賀美さんから・・・プロポーズされました。」
「「「ふ~ん・・・」」」
「ふ~んっていうと思った。でも、どこでプロポーズされたと思う?」
「どこ?」
「・・・リングの上から・・・たくさんの観客がいる前・・・」
「「「・・・っえぇ~~~~~~!!」」」

少しほほを紅くさせながら、優奈は事の成り行きを話し始めた・・・

それは、この会議から半年前のこと。
加賀美は、前日に“超大物の”外国人レスラーと、メインイベントで試合をすることになっていた。
いつものジムで一緒にトレーニングをする二人。並んでランニングマシンで体を鍛えている時だった。

「南沢さん。」

正面を見ながら優奈に話しかける加賀美。優奈も正面を向きながら「何ですか?」と声をかける。

「明日の試合・・・絶対に見に来てください、絶対に勝ちますから。」

そういうと、加賀美はマシンから離れ、先にシャワールームへ行ってしまった。優奈も慌ててマシンから降り、そそくさとシャワールームで汗を流すのだが…

加賀美はジムを後にしていた。受付でそれを知った優奈の頭は混乱していく。そんな時・・・

「南沢様。」

ジムの受付が彼女を呼ぶ。慌てて振り向いた優奈に受付の女の子は動揺しながら

「か、加賀美様から、こ、これを・・・」

と言って白い封筒を差し出す。優奈は「ありがとうございます。」と言いながら受け取るとそこに入っていたのは、関係者用のチケットと一通の手紙。その紙には一言だけ書かれていた。


“必ず来てください。”


とだけ・・・



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

彼女達の恋愛事情(91) [土曜日の長いお話]


コーヒーと焼きたてのパンを片手に、1年ぶりの恋愛報告会が始まった。

(第6回 恋愛報告会)

「ということで久しぶりの恋愛報告会を始めます!」

「「「いえ~い!!!」」」

優奈の一言で始まる報告会。
その久しぶり感覚に実理も葵も双葉も、そして優奈もテンションが上がっていく。

「じゃ、まず双葉って言いたいけど、いろいろ聞きたい事があるので最後!ということで実理から(笑)」

「は~い。もうすぐ苗字変わります(笑)」

そういいながら、実理は左手の指輪を見せびらかす。それに呆れる葵と優奈とは対照的に目をきらきらさせながらその指輪を見る双葉がそこにいた。

「風馬君?」
「そう(笑)」

「いいな~!私も指輪ほしいな~(大声)」

明らかに奥の部屋にいる桧垣に向けて話す双葉。それを聞いた桧垣は、ガクッと肩を落とす・・・そんなこととは露知らず、彼女たちの話は続く。


「なので、もうすぐ苗字が変わります。以上です。」
「そうですか、では、葵。」
「は~い!編集長と半同棲中です。」

にこっと言ってのけた葵に双葉は・・・「もう、障害がないからって・・・ラブラブ~(笑)」
と笑いながら言い返す。

「そういう双葉こそ~!!もう同棲してんじゃん(笑)」
「そうだけど~!!」

「はいはいそこまで(笑)じゃ、私いくね(笑)」

二人を制止しながら、自分の話に持っていった優奈。
そして話が始まる。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
前の10件 | - 土曜日の長いお話 ブログトップ